\(S_n=1\cdot n+2\cdot(n-1)+3\cdot(n-2)+\cdots+(n-1)\cdot 2+n\cdot 1\)
 二項係数には先の有名な関係式があるので, \(S_n\) が二項係数で表される (N高校の生徒の予想)ならば, \(S_n-S_{n-1}\) も二項係数で表されるはずだというのが, 計算してみようと思った理由です。
 先日の某予備校模試の解説を求めてきた生徒がいました。 またも等差×等比型でした。 \(c_{n+1}-c_n\) の関係する問題でした。 二項係数は数学IIでメインストリームにのし上がりました。 センター試験の数列で 二項係数の関係式を使った 出題がされるかもしれません。
 また,後ほど話題にするかもしれませんが, 数学A の3分野 かぞえる・割合,かたち,かず は中高接続としていいな と,この1学期感想を持ちました。 スパイラルの考えが色濃くでていますし, 小中学校の学習内容が整理されていて,高校でほんの少し上乗せされる。 よく例に出すのですが,私は方べきの定理は知識としては,この仕事に就くまで知りませんでした。 でも,それを使う問題は出されていても問題ありません。 方べきの定理を使うか否かは手段の問題に過ぎないのです。 その定理を使えば一発だよ 言い換えるとその定理の証明をさせるに過ぎない問題は 出題されないだけで, 高校生なのだから, かぞえる・割合,かたち,かず については, それなりの学習時間をとったほうがいいよ というのが数学Aの科目趣旨なのかもしれません。 私のなかでは,数理科学特論 に位置づけています。 文部科学省の教科理数における科目名 理数数学特論 はよくできている言葉です。
 余談ですが,本校理数科の先日の期末考査で, 角の二等分線と線分の比の性質,接弦定理を証明してほしい  という問題を出題しました。 設問もよくないところがあったのですが,出来は思ったほどではありませんでした。 その後に,いわゆる求値問題を出題したら,そこはほぼ完璧にできていました。 証明は知らないけど使える 考えさせられるものがあります。 傍目でみるより乗り越えるのに苦労する壁が, その生徒には立ちはだかる気がします。
Sn = 1・n + 2・(n-1) + 3・(n-2) + + (n-1)・2 + n・1
Sn-1 = 1・(n-1) + 2・(n-2) + 3・(n-3) + + (n-1)・1
1 + 2 + 3 + + (n-1) + n
\(S_n-S_{n-1}\) は 自然数の和なのですが, 先ほど述べたように それは二項係数でかけるのです。 定理1 を持っている私の中では逆で,二項係数でかけるものが たまたま,自然数の和だったのです。
いわゆる重複組み合わせの問題で,
x + y + z = 4 を満たす 非負な整数 (x, y, z) の組はいくつあるか
というのがありますが,
z = 4に対しては1 通り
z = 3に対しては2 通り
z = 2に対しては3 通り
z = 1に対しては4 通り
z = 0に対しては5 通り
x + y + z + w = 6 を満たす 非負な整数 (x, y, z, w) の組はいくつあるか
w = 6に対しては1 通り
w = 5に対しては3 通り
w = 4に対しては6 通り
w = 3に対しては10 通り
w = 2に対しては15 通り
w = 1に対しては21 通り
w = 0に対しては28 通り
というように,実験してみる→予想を立てる というのが アクティブ・ラーニングなのかなと思います。 数学的活動 あるいは Do Math すべて同じ思想だと思います。

つづく